
公孫瓚が駄菓子屋を始めたらしい
ある日、幽州の人々は驚いた。
あの白馬将軍、公孫瓚が駄菓子屋を始めたのである。
店の名前は
「白馬堂」
だった。
店先には白馬がつながれている。
怖い。
子供たちは恐る恐る近づいた。
「おじちゃん、これいくら?」
公孫瓚は地図を広げた。
「それを説明するには、まず河北の情勢からだ。」
「いらない。」
駄菓子は飛ぶように売れた。
なぜなら店主が怖いからだ。
「うまい棒ください。」
「二本持っていけ。」
「ありがとうございます!」
「ただし袁紹派になるなよ。」
「はい!」
意味は分からなかった。
ある日、
隣町に袁紹の駄菓子屋ができた。
「むっ。」
公孫瓚の顔色が変わった。
翌日。
白馬堂大セール。
翌々日。
超大セール。
その翌日。
全商品無料。
家臣は叫んだ。
「将軍!」
「利益が!」
「知らん!」
「袁紹に負ける方が問題だ!」
結果、
両店とも大赤字になった。
ある夕方。
子供たちが店の前で菓子を食べていた。
「白馬堂が好き。」
「なんで?」
「おじちゃん怖いけど優しい。」
「あと毎回おまけくれる。」
それを聞いた公孫瓚は少し照れた。
「ふん。」
そして黙って菓子を追加した。
結局、
経営は全く向いていなかった。
競争になると冷静さを失う。
値引きしすぎる。
戦略が全部対袁紹になる。
だが子供たちからは愛された。
後世の歴史書には書かれていないが、
もし書かれていたならこう記されていただろう。
公孫瓚、白馬を率いて北方を守る。
また、駄菓子屋を営むと利益より意地を優先した。
そして白馬堂の壁には、
最後までこんな張り紙が貼られていたという。
「袁紹のお菓子持ち込み禁止」。